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XO Trumpet&Tromboneを応援する「frosch」のblog

待望の「一番の幸せ」

7月18日のエントリでも書いたとおり、かねてからfroschが注目しているXOトランペッター、市原ひかりさんの待望の1stソロアルバム「一番の幸せ」が、8月18日ポニーキャニオンから発売されました。(PCCY-30074 2,940円(税込))

Hikari_CD


froschはアマゾンで予約していたのですが、手に取ったのは、8月22日でした。店頭予約注文なら17日には入手出来ていたはずなのにぃ〜。ま、これも勉強。 それはともかく、聴きましたよ。

あんまり詳しくレビューすると、まだ聴いていない人の興を殺いだらいけませんので、なるべくfroschの独断による感想にします。

 とは云いつつも、第1曲目の「FACTS」、もともとはひかりさんが3年ほど前に書いていた曲を今回のレコーディング作業の中で佐藤博さんと新たな曲に作り上げたとのこと。 全10曲中、どれか1曲と云われたら、私はアルバムタイトル曲の「一番の幸せ」よりもこちらに1票かな。「一番の幸せ」も凄く良いんだけどね。

「FACTS」のプレイはとても心地好い、メロウなサウンドです。 ひかりさん全体に云えることだけど、トランペットを吹いても音色が柔らかで、音の硬い人のフリューゲルよりもかえってマイルドな音なんですが、音の立ち上がりは良く、粒立ちが良い。

froschは同じXO-RVと旧刻印のGiardinelli10Mを使っても、あんな音は出せません。(>_<) 一言で片付けるとするなら「スムース・ジャズ」と云うことになるんでしょう。おそらく、カイシャもどちらかと云えばそう云う売り方をするんじゃないかと云う気がします。違ってたらごめんなさい。

 でも、frosch「ちょっと待った!」と言いたい。 スムースジャズ?確かにそうカテゴライズされているアーティストたちの音楽と共通するテイストもあるかもしれない。

 でもね、frosch70年代後半の日野皓正、あるいはデイブ・グルーシンたちの所謂フュージョン系のサウンドと相通ずるものも感じるし(これ、相当感じます)、アドリブフレイズにはエリック宮城(そのバックには無論メイナード・ファーガソン)の影も見え隠れ。

 そしてなにより、聴いていると、ハーブ・アルパート(&ティファナ・ブラス)の蜃気楼も見えるからオドロキ。 フォービートの部分も、結構バップしてますよ。

そういった先達のテイストも咀嚼しながら、「いま自分が一番好きな、ハッピーになれる音楽」を奏でているアルバムとfroschは判断します。 名刺代わりの1枚には最適でしょう。


あとね、トランペットも無論良いんだけど、フリューゲルのプレイは本当にナチュラルで衒いが無くひかりさんにベストマッチの楽器なんじゃないかと現時点では思います。フリューゲルを使って自分の声を伝えるのに秀でているんだね。


フリューゲルとクレジットされている曲を聴いてからトランペットを聴くと、「ああ、トランペットね」と思うけど、いきなりトランペットで吹いている曲を聴かせたら、結構「フリューゲル?」と云う人居るんじゃないかなあ。


あとはね、本当に1人でも多くに人にこのアルバムを聴いて欲しいです。新譜の値段はするけれども、その価値は十二分にありますよ。 10曲中、カヴァー曲の2曲以外は全て自作というのも注目すべき点ですね。


 私が「市原ひかり」と云う名前に注目した最初は、以前ご自分で作っていたサイトの文章だったのです。慎重に言葉を選び、文章のリズムや間合いに留意した、けれどもそのあとを感じさせない絶妙の文体。ひかりさんの音楽を聴いたのはそのずっと後でした。

 「こんな個性的な文章を書く人の音楽ってどんなだろう?」そのもっとも明快な回答がこのアルバムに凝縮されていました。


バックを務めるミュージシャンが、また凄い。 ギター:鈴木茂、キーボード:佐藤博 なんて書くと、敏感に反応する人も多いんじゃないかな。バッキングに恵まれていると云うのもこのアルバムのオイシイところだと思います。 大物ミュージシャンが自分の経験をフルに活用して、市原ひかりの才能をフルに引き出せるよう実に良い仕事をしていると思います。


さてさて、現在発売中のJazzLife、SwingJournal、ADLIBで、レビューやインタビュー、使用楽器紹介など様々な記事が出ています。無論好意的な書き方なのです(そりゃ、そうだ)が、耐えがたい不満があります。 Swing Journalも、ADLIBも、ひかりさんが学生時代に結成して、自分の源流と位置づけているバンドの名前を、揃って「hip tick」と誤記していることです。 「hip chick」ですから!!

 売れ筋の雑誌にしちゃあ、取材がお粗末なんではないですかな? 書きたいことはまだまだあるんだけど、ま、皆さん、是非とも1枚以上お求めいただいて、聴いてみて下さい。必ずやご満足いただけると思いますよ。

ADLIB誌のインタビュー記事中、P.111左下の素敵な笑顔の写真。素直で優しく、芯の強い人柄。そのありのままが出ているアルバムです。 froschならCDのバックインレイの写真はあれにしたいですね。